マイコン搭載ハンダごて TS100
Banggoodから購入した温調ハンダごて、TS100 Soldering Ironについてのレビューです。
Banggoodでの定価は$68.88ですが、18%の割引と15%OFFクーポンを使用し、$48で購入しました。
パッケージ
本体はそこそこ高級感のある箱に収められています。
スライドさせて中箱を取り出すと、説明書が入った紙のケース、さらにその下に本体と小手先が入っています。ハンダごての包装としてはやや過剰ですが、これはこれで開封時の気分を高めてくれます。
付属品は以下のとおりです。
- 本体
- 円錐型コテ先(TS-B2)
- 説明書(英語・中国語)
- コテ先固定用・接地線固定用ネジの予備(2個)
- 6角レンチ
本体のディスプレイ部分とロゴ部分にはしっかりと保護シールが貼られています。中華製品にありがちな「新品なのに傷まみれ」ということはありませんでした。
概観
全長 167mm(コテ先含む)、幅13mm、高さ17mmと一般的なハンダごてと比べてかなり小型です。
グリップ先端に出っ張りがないのでかなりスリムな印象です。本製品の売りであるOLEDディスプレイが目立ちます。解像度は96x16です。
親指のあたりに操作ボタンが2つあります。マニュアルによると前側がAボタン、後ろ側がBボタンです。タクトスイッチのような感触でやや硬めのクリック感があります。
電源電圧は12~24Vです。グリップ後部にDCジャック(DC5525:外径5.5mm・内径2.5mm)が備えられています。日本で一般的に販売されているACアダプタのプラグは外径5.5mm・内径2.1mmであることが多く、変換プラグが必要です。
グリップ先端にはコテ先固定用の6角ネジがあります。付属の6角レンチで緩め、コテ先をしっかりと奥まで差し込み、ネジを締めると準備完了です。
操作方法
DCプラグを後部のジャックに挿すと自動的に電源が入ります。
電源投入後にメーカーのロゴが1秒弱表示された後、「Press」という文字とAボタンを押すように指示する画像が表示されます。この状態がスタンバイモードです。この画面でAボタンを押すと通常モードに入り、コテ先の加熱が始まります。
スタンバイモードでBボタンを押すと温度計モードに入ります。コテ先が加熱していなければ室温が表示されます。
Aボタンを押して加熱が始まると、現在の温度と温度上昇中を示すアイコンが表示されます。
秋月の12V60WのACアダプタを使用したところ、加熱時間は25℃→300℃で約30秒でした。
温度を変えたいときは、設定温度が表示されるまでA・Bどちらかのボタンを長押しします。温度を下げたいときはAボタンを、上げたいときはBボタンを押すことで一定値(デフォルトでは10℃、後述の設定ファイルで変更可能)ずつ変更できます。
通常モード中にA,Bボタンを同時に2秒程度長押しするとスタンバイモードに戻り、加熱が止まります。
使用感
温調機能は正常に動作しており、使用中も(画面の表示を信じるならば)それほど大きくは変動しません。他の温調ハンダごてと同じように使用できました。
不満点
握りにくさ
商品ページの写真通りディスプレイが上側になるように握ると、親指と人差し指の間に隙間ができてしまうため力が入れづらいです。
少しずらして持てば問題ありませんが、うっかりボタンを押してしまわないように注意が必要です。(裏返して持つと一番しっくりきました。)
少しずらして持ったときの図。ボタンに指が当たってしまいます。ボタンの距離と硬さのため、A,Bボタンの同時押しも少しやりにくい感じです。
コテ台選びの難しさ
グリップ先端に出っ張りがないため、一般的なコテ台を使うと引っかからずに奥まで入ってしまいます。
コテ先を上にして立てかけるタイプを使えばこの問題は発生しませんが、DCプラグが邪魔です。変換プラグを使っている場合は特に長くなり、安定性が悪くなります。DCジャックを痛める原因にもなります。
これまでの写真でも写っていますが、HAKKOのコテ台(FH300-81)を使うとちょうどいい感じでした。今のところグリップが融けるようなこともありません。コテ先が先端の放熱板に直接触れるようなこともありませんでした。
取り回しの悪さ
グリップ根本に変換プラグとDCプラグを挿さないといけないため、取り回しがあまり良くありません。硬いケーブルを使っていると顕著です。本体が軽いため後ろに引っ張られる感じもします。
長めの変換ケーブルを自作するか、ケーブルホルダーなどがあれば快適に使えるでしょう。
設定等
自動スリープ機能や、持ち上げたときにスリープを自動解除する機能も搭載されています。内蔵ストレージの中の設定ファイルを書き換えることでスリープまでの時間やデフォルトの温度などを変更できます。
(公式FW ver.2.17からはスタンバイモードからBボタンを押すと各種設定を行うことができるようになり、細かい設定以外はファイルを書き換える必要がなくなりました)
ストレージに画像を保存し、ロゴを変える事もできます。
Banggoodのロゴを作ってみました。
総評
ハンダごてとしては値段が高めで、電源を含めると7000円もします。ですが、ハンダごてのくせにマイコン搭載、しかもディスプレイ付きです。
(無駄に)充実した機能や多機能ディスプレイに魅力を感じるなら買いです。
その他
公式サイトにファームウェアが公開されています。(2017年5月にアップデートがあったようです)
有志によるカスタムファームウェアもgithubで公開されています。